優勝した大坂なおみ選手より、負けたセリーナ・ウィリアムズ選手の抗議内容の方がクローズアップされる結果となった決勝戦。
その抗議の動画から、セリーナ・ウィリアムズ選手が審判に行った抗議内容は試合の内容に関するものではないことは抗議の動画からみてもわかると思います。
日本中が注目した全米オープン女子シングルス決勝戦。
セリーナ・ウィリアムズ選手が審判へ抗議することで訴えたかったことは何だったのか。
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セリーナ・ウィリアムズと大坂なおみが戦った全米オープン女子シングルス決勝戦とは?
9月8日(日本時間9日早朝)は、日本テニス界にとって記念すべき1日となりました。
元世界ランキング1位のセリーナ・ウィリアムズ選手と、まだ若干20歳という若さの大坂なおみ選手が、全米オープン女子シングルスの決勝戦で対戦し、大坂なおみ選手が優勝するという快挙を成し遂げたのです。
「全米オープン」とは「全豪オープン」「全仏オープン」「ウィンブルドン選手権」と並ぶテニスの4大大会の1つで、総称してグランドスラムと呼ばれています。
そのグランドスラムで決勝に進出した日本人は大坂なおみ選手が初めてです。
セリーナ・ウィリアムズが抗議した理由
セリーナ・ウィリアムズ選手が抗議した理由はどこにあったのでしょうか。
禁止されているコーチング(指導)を受けて試合に勝とうとした、と疑われてその疑いを晴らすため?
警告によりポイントを奪われ、ゲームまで取られて負けそうになったから?
確かに、疑いを晴らしたいとは思うでしょう。
でも、コーチはコーチングの行為を認めているという声もあります。
では、警告により大坂なおみ選手にポイントやゲームが入ってしまったから?
ゲームを失ったことは勝負に影響があるとは思いますが、それだけで負けてしまう、と抗議するような選手でしょうか。
それなら、自分で取り戻して見せる、と奮起するのではないでしょうか?
「私は今までの人生で、一度たりともズルをしたことなんてない。
娘がいてその子のために正しいことをするの。私は悪いことはしてない」
ラケットを叩きつけたことで警告を受けた後、セリーナ・ウィリアムズ選手が抗議した理由は、この言葉の通り、自分は娘に恥じるようなことはしていないということからではないでしょうか。
セリーナ・ウィリアムズの抗議内容
セリーナ・ウィリアムズ選手の抗議内容は、コーチングは受けていないという抗議から始まるものでした。
コーチがそのような仕草をする動画も見られ、コーチは認めている、という声もあがっていますが、
「私は人生で一度たりとも不正を働いたことなんかない」
「ズルをして勝つんだったら、負けた方がマシ」
というセリーナ・ウィリアムズ選手の抗議内容が正しいなら、彼女自身はコーチの指導に気づいていなかったことになります。
それでも、コーチング自体が警告の対象となるのは仕方のないことで、彼女も1度は受け入れたとしても試合に対する集中力に影響が出たことは否めないでしょう。
そして思うような試合運びが出来ず、思わずラケットを破壊してしまい、そこでまた警告という追及をされ、審判への思いが「(ポイントを奪った)泥棒」という言葉になり、1ゲームを失うことに。
「こんなのフェアじゃない。不公平すぎる」
「いろいろと言ってくる男性はたくさんいる。だけど、彼らには何も起こらないから言えるのよ」
これは、単にゲームを奪われたからではなく、過去に試合中に受けた男女差別に対する抗議内容であり、自分の受けた警告は、男性選手に対しては与えられないことだ、と訴えるものだったのでしょう。
セリーナ・ウィリアムズの抗議動画
今回のセリーナ・ウィリアムズ選手の抗議動画は、多数ネットでもあげられていて、そのことに対するテニス界からの意見も多数出ていました。
擁護する人もいれば、反対に非難する人も。
セリーナ・ウィリアムズ選手が抗議している動画には、ラケットを地面に叩きつけて壊した時の苛立ちはなく、涙を浮かべて抑えて抑えて言葉を発しているように見える場面もありました。
女性はすぐにヒステリックになる、という思い込みへの抗議もあったのでしょうか。
セリーナ・ウィリアムズと大坂なおみの関係
大坂なおみ選手はずっとウィリアムズ姉妹に憧れていたそうです。
180cmの長身から放たれる弾丸サーブは時速200km超えとも言われ、“ガマン”を克服した精神面の強さも好材料となり、一直線に憧れのセリーナ・ウィリアムズ選手との決勝戦にコマを進めた大坂選手。
そのパワフルなテニスは、まさにウィリアムズ姉妹から影響を受けたものでしょう。
その大切な試合で憧れのセリーナ・ウィリアムズ選手が崩れていくという結果になってしまい、その大坂選手の勝利をみんなに祝ってもらえるという空気がなかったことは、とても残念なことだったと思います。
でも、大坂選手が憧れていたセリーナ・ウィリアムズ選手はやっぱり一流の選手でした。
大ブーイングが起こった優勝セレモニーの中で、
「私はあなたのことを誇りに思う。ブーイングはあなたに向けられたものじゃないから」
と言って、肩を抱いてくれたそうです。
自分に向けられたブーイングだと思っていた大坂選手にとって、どんなに心が救われたことか。
これからも、たくさんの試合で対戦する姿が見られるかと思うと楽しみです。
セリーナ・ウィリアムズの偉業
セリーナ・ウィリアムズ選手の偉業を挙げたら、きりがないでしょう。
グランドスラムに関してだけでも、1999年の全米オープンで「17歳11ヶ月」という若さで4大大会初優勝を果たしたことに始まり、グランドスラムすべてを制覇するキャリア・グランドスラムをシングル・ダブルスともに達成し、男女を通じて唯一のキャリアゴールデンスラム達成者となりました。
グランドスラムで優勝を重ねたセリーナ・ウィリアムズ選手は、2017年の全豪オープンではシュテフィ・グラフを抜いて現役最多優勝となる23度目の優勝を飾りました。
・2002年~2003年及び2014年~2015年の2回・・・史上6人目となる4連勝達成
・2009年~2010年・・・ダブルスでも4連勝達成
【グランドスラム詳細】
・全豪オープン:7勝
・全仏オープン:3勝
・ウィンブルドン:7勝
・全米オープン:6勝
自己最高世界ランキングはシングルス・ダブルス共に1位。
2013年2月に31歳4ヶ月24日で世界ランキング1位に復帰したことにより、 WTA歴代最年長のナンバーワンプレイヤーとなり、2017年1月に再度1位に復帰しました。
セリーナ・ウィリアムズのプロフィール
セリーナ・ウィリアムズのプロフィールをご紹介します。
生年月日:1981年9月26日 (36歳)
出身地:アメリカ・ミシガン州サギノー
身 長:175 cm
体 重:70kg
テニス:バックハンド・ストロークは両手打ち
受賞歴:BETアワード 最優秀女性アスリート賞
生涯獲得賞金は8000万ドルを超え、すべての女子プロスポーツ選手を含めて史上1位。
姉ビーナス・ウィリアムズとともに、女子テニス界にパワーテニスを持ち込んだ選手として知られています。
長い現役生活の中で世界ランク1位から下がってまた復活を遂げたり、36歳である今も現役として活躍中。
【ツアー離脱履歴】
2006年:故障
2010年:故障
2011年:脚の負傷・肺塞栓症による入院
2017年:9月女児出産
昨年9月に出産して、今グランドスラムで準優勝。
まだまだその戦歴は続きます。
セリーナ・ウィリアムズの抗議内容は?大坂なおみとの決勝戦まとめ
セリーナ・ウィリアムズ選手の抗議内容は、試合や大坂なおみ選手へのものではなく、男女差別をする審判への抗議であり、誰かが言わなければいけない、と思っていたセリーナ選手の行動ではないかという声が聞こえています。
この試合をきっかけにセリーナを知った方もそうでない方も、今後のセリーナの動きに目が離せませんね。
大阪なおみ選手との再戦も期待せざるを得ません!